2020年5月アーカイブ

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ユーロスター用として登場したTGV TMST(英国付番:Class 373)は、客車18両の標準編成に加え、ロンドン北部(バーミンガムやマンチェスター、スコットランド方面)への直通運転を目論んで客車16両に短縮したNOL(North of London)編成が7本登場しました。

ところがNOL編成の北部直通計画はキャンセルとなり、余剰となっていた編成についてはGNERがリースして青色塗装となり、「ホワイトローズ」の愛称でロンドンからヨークやリーズなどの英国内列車に充当されました。最終的に少々形は異なるものの、ロンドン北部での運用が実現したことになります。

GNERでのリース運用は2005年末頃に終了となりましたが、続いてSNCFがそれらの編成を借り受け、通常編成の余剰分と共に、パリ~リールを中心としたLGV北線系統TGV(仏国内運用)に投入されました。

これらフランス国内運用編成は、前面や側面のEurostarロゴが除去され、前面にはTGVロゴとSNCFロゴ、中間車側面には緑とピンクの等級帯がそれぞれ追加されたほか、一部編成では前頭部の黄色の警戒色が剥がされて銀色になり、異彩を放っていました。

なお、これらフランス国内運用は2014年頃に終了し、ほぼすべての車両が廃車となっているようです。

今回はこのNOL編成のフランス国内運用末期の姿を製作しました。実物は編成ごとにロゴの位置やサイズ、黄色警戒色の有無などがバラバラですが、今回のプロトタイプは前頭部が銀色となり、SNCFロゴがTGVロゴと重ならず離れて貼られていた3301+3302編成です。

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前頭部をこのようにマスキングし、ロゴを剥がしてから白色で塗装します。

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白色塗装後、乗務員室から鼻先にかけてだんだん銀色となるようにグラデーション塗装を行います。グラデーション塗装は多少エアブラシの扱いに慣れが必要ですが、白と銀色ならそこまで目立たないので、それらしく再現できれば構いません。

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中間車はEurostarロゴの除去が必要です。製品は青色帯部分も印刷表現のため、シンナーでロゴだけ剥がすということができず、印刷の青色に合わせて調色した塗料を使って塗装で消去しています。

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続いて窓周りをマスキングし、1等車は緑、2等車はピンクで等級帯を追加します。色味は既存のTGV Duplex製品を参考にしています。

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前頭部のTGVロゴおよびSNCFロゴは写真を元に作図し、インクジェットデカールに印刷して貼り付けます。

あとはクリアコートで表面保護を行い、元通りに組み立てて完成となります。

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LS Models製品のうち、初期の金型、およびそれをベースに開発され発売されたCity Night LineとNightJet各種(Bvcmz・Bvcmbz・Bpm・BDcm・WRm・二階建て寝台車)は、その走行性能の悪さにより、運転派のユーザーにとっては悩みの種となっています。

なお、その後登場したWLABmz173やロシア寝台車、ÖBB車などについては、ある程度改善されています。

今回は、当方が採用している走行性能改善加工を紹介します。他にも有効な技法は存在すると思いますが、参考になれば幸いです。

走行性能の悪さを詳しく分析すると、特にポイント通過時やカーブ通過時に脱線を多発していることがわかります。スタイル重視で車高の低い設計ゆえか、台車が車体に当たったり、台車自体の首振り(遊動)の余裕が少なく、それらが主な原因のようです。そこで、台車と床板の間にワッシャーを挟むことでスペースに余裕を設け、同時にネジ止めについても弄って首振り具合を改善することにしました。

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まずネジ止めされている台車を外し、首振りを悪くしていそうな台車側にある突起4カ所を削り取りましたが、この加工は不要の可能性もあります。ひとまず突起を削らずにこの後の作業に進み、それでもいまいちな場合に削ってみてください。この削り取り以外は、すべて元の状態に戻すことができる作業となります。

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車体側は、床板の台車ネジ止め用のパイプに金属ワッシャー(厚さ0.5mm、内径3mm、外径5.8mm程度)を挟み、台車を従来より長いネジで緩めに取り付けます。今回はKATOのビス止め台車用のネジを利用しましたが、ネジ切りの形状などは異なりますので、ある程度強引な取り付けとなります。気になる場合はより適したネジを探してみてください。

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この加工を施すと車体が0.5~0.6mmほど上昇しますが、元々がかなり低車高な設計ゆえ、Rocoなど他社製品と繋いでも違和感はあまりありません。ただ、そのままではボディーマウントカプラーの高さも上昇することになり、機関車や他社製品などと連結した際にカプラー高さの違いに起因する自然解放が発生します。そこで、当方で公開している3Dプリントによる自然解放防止型カプラーをベースに、ナックル部を0.6mm下げた専用品を設計し、取り付けることで、元々発生していた自然解放多発と同時に対処することができました。

過去にTwitterに掲載した、加工例の走行動画をいくつか紹介します。