211系5000番台

JR東海管内各所で活躍中の近郊型車輌。近年になって動きも活発。

実物情報

JR東海が211系2000番台をベースに数々の仕様変更を施して製造した車両。分散クーラー搭載、前面窓拡大、MG>SCVなど国鉄車からの変更点は多岐にわたる。

近年、大垣区からの撤退(0番台は残る)・シングルアームパンタ化などの変化が見られ、現在は神領区(中央西線)と静岡区(静岡地区各線)に所属。

どちらも3連が所属するほか、神領には4連(トイレ付き)・静岡には2連(1M車クモハ211-6000)が存在。中央西線では213系5000番台や313系などとのバラエティ豊かな併結が見られるほか、静岡地区でも313系(2000番台各形式)との併結が日常的に行われている。

製作記事

種車の用意

KATOの211系をベースとするが、近年のセット売り製品は先頭車帯にJRマークが印刷されており、現在のJRマーク無し状態を再現するのには向いておらず、中古などで単品売りロットを入手した。

車体の加工

モハ・サハの車体は無加工で、加工は先頭部とクハのトイレ部分に集中している。

実車は方向幕横のビード延長や幅の狭い側面方向幕搭載(一部車輌)などの差異があるが、製品ベースでは加工が難しいので再現は見送った。

前頭部の加工

GREENMAXの211系5000番台用の前面を利用するため、元車体の干渉部分等をすべて除去する。ライトケースは元のものを生かすことでライト点灯に備える。

干渉部分を除去した状態。

前面パーツを組み合わせて合いを確認。

塗装の済んだ前面を接着し、さらに屋根の合いを確認。クモハ前面にはKATOの211系3000番台用の幌を接着した。

クハ210-5000トイレ部分の加工

5000番台はトイレが設置されていないので、この部分を余剰のサハ211のボディから移植している。移植はビードおよびドアの縁を利用することで目立たなく行っている。

このように該当部分を除去しておく。

サハ211から切り出したトイレ無し車端部。これをはめ込む。

完成状態。床下からトイレタンクも撤去したほうがよいだろう。

クハ210-5300トイレ部分の加工

トイレ設置の5300番台は0番台等と異なり明かり取り窓が設置されていないので、種車の明かり取り窓をプラ板で埋めて平滑に仕上げた。

加工部分の塗装は元の車体の銀色に極力合わせる必要があるが、ここはMr.Colorの「シルバー」と「スーパーファインシルバー(エアブラシ専用)」を1:1で混色したものを塗っている。この色はいまのところKATOの車体銀色に一番近い質感が出せるのではないかと考えている。

完成状態。

屋根の加工

工作としては一番のメイン作業である。

ベースにはKitcheNの「汎用屋根 211系タイプ」を利用する。入手しづらい場合はGREENMAXの211系キットの屋根でも問題はないが、この屋根は型改修の関係で屋根中央にAU75用の切り欠きの跡が浮き上がっており、塗装後に非常に目立つのが難点。

加工自体はそれほど難しいものではなく、クーラー・アンテナ部のビードを削り取り、クモハのパンタ周辺は種車の屋根を切り継いでいる。加工箇所が多いので気合いで乗り切る必要があった。

ベンチレータはTOMIX製を利用している。

塗装はKATO211系の屋根色に合わせて調色したもので、ジェイズの「明るい屋根グレー」と「濃い屋根グレー」を塗料皿に吹き出して1:1の等比率で混ぜたものとなっている。この色はKATO製・TOMIX製の屋根のグレー近似色として幅広く利用できるので、当方では大量に調合してストックするようにしている。

1M車となるクモハ211-6000の屋根には213系同様ヒューズ箱を設置。これはプラ板の台座の上に設置するという簡易的な方法によっている。

パンタグラフはPS21・C-PS24・シングルアームパンタなど各種装備されているが、模型ではPS16B・PS24(KATO201系用)・KATO205系用・TOMIXのFRS4などを装着している。

先に落成した中央西線向け車輌にはKATOの205系3000番台のシングルアームパンタを搭載。シューの形状は実物とほぼ同じだが台座の形状が異なっている。

静岡地区向け車輌にはTOMIXのFRS4を搭載。こちらは台座の形状が近いが、シューの形状が異なっている。

クモハ211-6000の屋根にはヒューズ箱を設置、パンタは201系用のPS24。

床下の加工

5000番台はロングシートであるほか、他車種との併結も行うので、全車とも最近発売の3000番台用のASSYパーツを利用している。

モハ210の床下はMGではなくSCV(静止コンバータ)となっているが、いずれ加工するとして全車とも種車のものをグレー塗装とした。

台車もグレーなので、221系用(旧ロットのヨーダンパが付いていないもの)を採用。

作品写真

中央西線・静岡地区それぞれの方向幕を整備(自作ステッカーによる)したが、その後静岡地区では「普通」に統一されてしまい、従来の行き先表示は見られなくなってしまった。

3連2本・4連1本(以上中央西線向け)および3連2本・2連2本(以上静岡地区向け)の合計20両を製作。

各所のレイアウトで入線試験。KATOベースなので走行性能はお墨付き。

静岡車のお膝元、グランシップトレインフェスタでの展示にも313系2000番台と共に活躍。

実物写真

写真はクリックで拡大。

中央西線の211系はトイレ装備の4両編成が終日活躍している。3連は主に増結に使われ、単独運用は少ない。

トイレ付きのクハ211-5300。明かり取り窓が存在しないのが0番台やJR東日本車との違い。

SCVを搭載しているモハ210-5000。0番台はMG。

朝ラッシュ時の新豊田発名古屋行や日中の岡崎行など、高蔵寺からの愛知環状鉄道直通も行われている。

愛環直通 方向幕

愛知環状鉄道直通の岡崎行方向幕。(この写真は拡大無し)

製造ロットによってLED・幕(細幅=LED車と同サイズ)・幕(太幅=0番台と同サイズ)の三種類がある。

静岡地区のメインは3両編成。写真のように前面に行先を表示した姿は見られなくなってしまった。

2+2編成

クモハ211-6000

2両編成には1M車のクモハ211-6000が組み込まれている。単独で使われることはあまりなく、2+2や2+3、313系との併結がメイン。

クモハ211-6000 山側床下機器

6000番台の床下機器は213系5000番台に準じている。こちらは山側。

海側はほぼ共通のクモハ213-5000のものを213系5000番台のページに掲載した。

シングルアームパンタ

近年交換が開始されたシングルアームパンタ。将来的に全車が交換される見込み。

奥付

更新履歴

製作・著作

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