2012年9月 各社車両先行営業運転開始(メトロ・西武・東武編) - 東横線・副都心線直通関連

(他の記事に移動:« [2012年9月 各社車両先行営業運転開始(東横線編)] | [2012年9月下旬~10月上旬の模様] »

9月7日より、東急東横線、東京メトロ副都心/有楽町および西武池袋・東武東上の各線にて、それぞれ直通相手の車両が暫定的に営業開始となった。
だいぶ早期の営業入りとなっているが、関係各所の訓練やトラブル洗い出しなどに備えた措置と思われる。
本ページは副都心・有楽町線および西武池袋線・東武東上線編。写真はクリックで拡大。

東京メトロへの5155F・5154F貸し出し

9月7日より、東横線の10104Fと足並みを揃えて先行営業を開始した。8連のため優等運用には入らないが、メトロ7000系同様に東武東上線・西武池袋線への乗り入れも行われる。

10月8日には5155Fが返却され、代わりに5154Fが貸し出し・営業入りしたが、仕様・運用ともに特に変化はない。

車内広告は東京メトロのもの。東京メトロ版マナーポスターとの組み合わせは貸し出し車ならでは。

各ドア上に2基ある液晶のうち左画面(広告動画用)は「ご乗車ありがとうございます」の表示で固定(他の5050系貸し出し編成も同様)。営業中ずっとこの表示のため画面焼けを起こさないかと余計な心配をしてしまう。

すでに東急デザインとなっている地下渋谷駅との組み合わせ。

 

ドアの広告は剥がされている。また熊のドア注意ステッカーは現在名前募集中のマスコットキャラを使用したものに変更される可能性があり、そうだとすれば今しか見られない。

10月8日から副都心線営業を開始した5154F。といっても5155Fと比べて特に相違点は見あたらない。

西武への4104F貸し出し

9月10日より、東武東上線の4105Fと共に先行営業を開始した。東急では営業入りしておらず、新製後初の営業運転を他社で開始するという珍しいケースとなった。

基本的に平日は40M運用(副都心線のみ直通)に固定、土休日はいくつかの運用への充当が見られ、有楽町線への乗り入れも行われる場合がある。

その後、10月7日をもって東急に返却された。10月11日現在、代わりとなる編成は来ていない。

 

西武および東京メトロ、有楽町・副都心線の路線図を掲示。西武路線図が西武貸し出しであることを示すほか、いずれも直通運転開始後には内容が変更されるため、今しか見られない組み合わせ。

 

車内広告はヒガンバナで有名な高麗巾着田の観光案内で統一されている。余談ながら今年は開花が遅れているようで、9月25日現在では五分咲き。これを見て今すぐ巾着田に行ってもちょっと残念な思いをすることになりそう。

練馬に到着した4104F。このあと遠路飯能までの旅が続く。

東武への4105F・4106F貸し出し

9月10日より、4105Fが西武池袋線の4104Fと共に先行営業を開始した。東急では営業入りしておらず、新製後初の営業運転を他社で開始するという珍しいケースとなった。

その後、9月24日未明に4105Fは東急へと返却、25日より4106Fが同様に営業入りしている。

東武車の運用の特徴として副都心線より有楽町線への直通のほうが多くなっているほか、直通開始後は見られないであろう森林公園からの入出庫運用となっているのがポイント。

 

有楽町線への乗り入れが頻繁に行われており異彩を放っている、

 

4104Fと異なり、中吊りのみ車内広告が普通に入れられている。マナーポスターなどからわかるように東武管轄のものとなっている。ドア脇および荷棚脇の広告は無し。

 

ドア上は新木場方向に向かって左側が地下鉄直通系統路線図、右側が東上線路線図を貼り付け。いずれも暫定営業時のみ見られるものである。

 

通勤急行・普通ともに黒文字の種別表示が異彩を放っている。「普通」の表示は和光市以遠の東上線内のみで見られる。

森林公園区で休む4105F。これは9月21日の撮影で、この日の朝の運用に入ったあとは営業入りせず、24日未明に東急へと返却された。

西武・東武それぞれの運用があるため、このように小竹向原で並ぶケースもある。写真は40M(4104F)と21T(4106F)の並び。

特徴車:デハ4604

4104Fの6号車デハ4604は、元は田園都市線用として登場した5000系5121F・デハ5921だった車両。

5121Fの東横線転属・8連化に合わせて捻出され、5050系5172F(7両で新製)に暫定的な付随車代用(サハ5472)として組み込まれた。この際、パンタグラフ撤去などの電装解除が行われていたが、9両で新製された4104Fに再電装の上で組み込まれ、現在に至る(5172Fには正規の付随車を別途新製)。

同様のケースは4101F~4103Fでも見られるが、現在そちらの3本は東横線で暫定運用するため8連化され、当該車両が抜き取られているため、10月現在、営業入り状態(貸し出し編成は頻繁に入れ替わるので非営業となる場合もあり)で見られるのはこの車両のみとなっている。

元5000系のため、座席や化粧板が青色基調となっているのが大きな特徴で、編成中1両のみ室内色が異なる異端車となっている。5000系からの編入車は8連の5050系にも存在しているが、4000番代編入の4両は他9両に合わせてドア上の液晶が17インチワイドタイプに換装されており、青色化粧板とワイド液晶の組み合わせは全4両のみの存在。

最も目立つ特徴は青色の座席モケット。

 

液晶画面周囲のパネルの色が4000番代新製車(右写真)と異なっている。

 

ドア部の比較(左:デハ4604、右:4000番代新製車)。ドア脇の手すりの取り付け位置も4000番代新製車では変更されているようだ。

 

妻部のパネルおよび化粧板の違いは比較的よく目立つ。左:デハ4604、右:デハ4906(4000番代新製車)。

なお、5000系と5050系4000番代は同じ10連だが、編成組成が異なっており、デハ5900(→デハ4600)は1パンタ・1C4M(いわゆる1M車)、デハ4900は2パンタ・1C8M(デハ4800とユニット)になっている。

液晶画面のバリエーション

いずれの編成も東横線で営業入りしているものとは異なる新しいデザインとなっている。同じデザインは東京メトロ16000系や8000系更新車・東武51076Fのほか、大阪市営地下鉄(御堂筋線向け30000系)などでも採用されており、三菱電機トレインビジョンシステムの新しい標準デザインと思われる。

直通開始後には東急版デザインをベースとしたものに置き換えられるのか(だとすれば現在の表示は今だけ限定)、渋谷で東急デザインから切り替わるようになるのか、東急線内も新デザインに変更されるのか、動向が注目される。

表示内容としては東急・東武・西武の路線マーク(TY・DT・TJ・SI)に対応しているのが特徴で、特に西武の駅ナンバリングへの対応は西武車に先駆けてのものとなっている。また、所要時間やマナー喚起表示、各駅ホーム上の階段位置案内表示など、細かい追加情報表示は行われない。

これらの写真は先行営業開始から2012年10月11日現在まで各編成で集めたもの。

  

5155F・5154Fの画面表示。5050系初期車のため、E231系などと同様の15インチ4:3液晶となっている。他編成(17インチワイド)と異なり文字や開扉表示はアニメーションせず静止表示。また、左側モニタで固定表示されている「ご乗車ありがとうございます」の書体も17インチワイド版とは異なっている。

見づらいが画面左上にうっすらと東京メトロのロゴマークが配されている。

 

こちらは参考に、現在東横線で運用中の5050系の画面および副都心線における東京メトロ10000系の画面。初期の三菱電機トレインビジョンシステムに多く見られるデザインで、先行営業5050系のものとは大きく異なっている。

   

4104F~4106Fの液晶画面。副都心線内ではこの表示。写真写りが悪く判別しにくいが、地下鉄線内では左上にメトロマークが入っている。左側の広告用モニタは「ご乗車ありがとうございます」固定で、終着駅到着時や会社境界駅での乗務員交代中などには左右2枚とも同じ表示となる場合がある。

    

同様に4104F~4106Fの有楽町線内表示。新木場行きの場合は全列車各停のため種別表示が無く、ラインカラーも副都心線バージョンと異なりゴールドとなっている。豊洲ではゆりかもめの路線ロゴマークが見られる。

  

東武東上線内での画面表示。メトロロゴマークが無くラインカラーも青色となっているほか、地下鉄線内・西武線内では見られない中国語・韓国語の表示が加えられている。東武51076Fの表示と同一デザインだが、駅到着時のホーム階段位置案内は行われない。

 

西武線内での画面表示。西武6000系や30000系の液晶画面とは異なるデザインで、西武の駅ナンバリング対応はこれが初のケース。区切り線はスマイルトレインなどでも採用されているコーポレートカラーの青緑だが、ラインカラーはオレンジとなっている。

 

こちらは参考に、現在東横線で運用中の4101F~4103F・5175Fの画面。上部背景が黒地であること以外は書体やアニメーションも含めてよく似たデザインとなっている。ラインカラー・区切り線ともに東横線内では赤色、みなとみらい線内では青色。貸し出し車とは異なり、所要時間やホーム上の階段案内など多彩な表示が行われる。

種別・行先表示のバリエーション

未撮影のものもあるが、中には直通運転開始後には見られなくなる可能性のあるものも含まれ、注目を集めている。

 

 

 

渋谷行きは東横線でも見られるものだが、各停はグレー地・急行は黒縁付きと、東横線版とは色遣いが異なっているのが特徴。また通勤急行(オレンジ地)はこちらでしか見られない。

 

 

新木場行き(有楽町線運用)は直通開始後に定期運用として登場するのか未知数のため注目されている。

  

  

地下鉄線内運行時は、直通先路線での種別を表示するモードが追加されている。

 

東上線内では「各停」ではなく「普通」を表示するようになっており、和光市で種別表示が変更される。

 

西武線快速の表示。小竹向原で切り替わる。9月下旬現在、快速のほかに準急への充当実績が確認されている。

奥付

更新履歴

製作・著作

Copyright(C) 2012 橋本孔明(Koumei Hashimoto), all rights reserved.