E231系900番台

大所帯系列の試作車を簡易再現。

実物情報

すっかり首都圏の顔となった感のあるE231系であるが、元を辿れば1998年に209系950番台として登場した試作編成がその基礎となった。

この編成は同時期に投入されていた209系500番台をベースに、IGBT方式のVVVFインバータ制御や車両情報伝送装置「TIMS」を搭載するなど積極的な新技術導入を行ったものである。

その後量産車が「E231系」として登場すると、本編成はその試作車ということでE231系900番台へと改番・編入が行われた。

量産車と比べると、側面窓に違いが見られるほか、走行系機器類も近郊タイプと通勤タイプが混在するなど特殊要素が強いものとなっている。

製作記事

概要

車体構造的に近いKATOの209系500番台をベースに、屋根や下回りをE231系用のものに交換して製作している。

車体の加工

209系500番台の9両とサハE230-500(山手線色)を使用する。サハE230-500には側面スピーカー準備工事のモールドが存在するため、模型用極小ノミを用いて丁寧に削り取り、黄色帯を上から貼って隠している。黄色帯は他作品でもおなじみの自作ステッカーで、残りの9両に合わせて調色を行った。

先頭車は乗務員扉系状がE231系と異なっているがそのままとし、黄色で塗装を行うことでE231系としての特徴を出している。前面は黄色帯を残してマスキングし、銀色に塗装した。また前面ガラスは交換によりE231系後期車タイプとなっているため、常磐快速線タイプ製品の前面ガラスに交換している。

側面ガラスは4扉車は209系500番台用が無加工で使用できるが、6扉車のものは緑色着色ガラス以外の選択肢がないためそのまま使用した。

後天的改造として、先頭車側面中央の窓が開閉化可能なタイプに変更されているので、KitcheNの209系窓改造パーツを取り付けて再現している。

屋根の加工

209系500番台とE231系ではパンタ周囲の構造が大きく異なっているため、パンタ車の屋根のみ、KATOのE231系常磐快速線用のものに交換している。

先頭車およびパンタ無し中間車の屋根については製品のままで特に問題ない。

なお、片側の先頭車(クハE230-901)は東急車輌製のためアンテナ・信号炎管部分のビードの系状が異なっている。これは元パーツのビードを削ってから再塗装することで再現している。

クーラーも製作時点での搭載状況を調査し、AU725(模型ではAU720の流用)・AU725A・AU726Bなどを使い分けている。

下回りの加工

細かい違いはあるものの、全車ともKATOのE231系用床下に交換した。モハE231-901は日立製2レベルインバータ、モハE231-902は三菱製3レベルインバータを採用しており、それぞれ後の近郊タイプ・通勤タイプで使い分けられている。このため模型では逆にモハE231-901に近郊タイプ、モハE231-902に通勤タイプ製品用の床板を利用した。

スカートは強化タイプに換装されているため、常磐快速線タイプ製品用のASSYパーツを使用して交換している。

作品写真


▲総武緩行線随一の特殊車両、900番台。前面ガラスやスカートの交換は近年の後天的改造。


▲KATO製品には存在しない、スピーカ蓋無しの6扉車ボディを再現。


▲東急車輌製の場合は凸形のビード切れ込みとなる(写真左)。


▲先頭車側面中央の窓に施された開閉化改造も再現。黄色の乗務員扉と戸袋部黒色JRマークの組み合わせは本編成でしか見られない。

実物写真


▲千葉側先頭車は前面ガラスを後期タイプに交換。2009年2月14日 秋葉原


▲三鷹側先頭車の前面ガラスは未交換。2008年12月13日 秋葉原

奥付

更新履歴

製作・著作

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