毛色変わった台湾型製品をレビュー。
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台湾の在来線(台湾鉄路管理局;通称「台鉄」)のうち、線形が悪く道路との競争が厳しい区間の特急列車改善のため、JR九州の885系をベースとした車両を日本に発注。
日立製作所で落成し、2007年5月に「
大変な人気列車となっているようで、切符の確保にも苦労するとか。
参考:台湾鉄路管理局TEMU1000形電車(Wikipedia)
台湾は鉄道模型メーカーがいくつかあり、台湾型の貨物列車や電車・旅客列車などの完成品が各種発売されているなど、なかなかの発展ぶりをみせている。
日本の模型を参考に発展したためか、縮尺は1/150が標準。製品によってはGREENMAX動力を採用していたりする。
今回発売されたのは「タロコ号」TEMU1000形のプラ完成品で、台湾の模型メーカーであるTouchRail社(鐵支路模型有限公司)の製品。
かなり以前からプロモーションを行っているなど熱の入った製品で、出来具合もなかなかのものとなっている。
以下、各部写真などを交えて紹介。
パッケージはこのように専用ブックケース入り。KATOやTOMIXのブックケースより1cmほど大きい。専用ウレタンに8両収納されている。
説明書の左に見えるのは保証書カード。なおステッカーやインレタ類は付属しない(車番印刷済)。同時購入した他のセットは車番が異なっており、何編成分かの車番印刷済みが用意されているようだ。
説明書や公式サイトによると基本4両・増結4両という形態の製品もあるらしい。
全体的にかっちりとした出来。ガラスの平滑・透明度がわずかに気になる程度か。
パンタ配管は金属線で表現。パンタ本体も繊細ながらしっかりとした出来。
塗装・印刷についてはどことなく昔のマイクロエースなどを思い出す雰囲気。
なお、客ドアは黒線による印刷表現のみとなっている。
カプラーは独自のボディマウント型を装備。破損予備は無いので、その場合はTNカプラーかKATOボディマウントカプラーに交換したほうがよいかもしれない。
なお先頭部のカプラーカバーは取り外すことができ、そこにもカプラーが仕込まれている(下写真参照)。実物は今のところ併結運用は行っていないようだが、開始されてもよいように対応済みとしたのかもしれない。
この製品、振り子機構を搭載しているとのことで台車を分解。するとこのように台車側の三角形の集電板と床板側の集電バネによりかなり原始的な振り子構造となっていた。
カーブに置いた写真が無くて申し訳ないが、KATO製品のように明らかに傾いているというよりは「なんとなく傾いている」程度か。カント線路なども発売されている現状、場合によってはこのほうがよいのかもしれない。
動力ユニットもかなりシンプルな構造。当方ではDCC化予定。
走行性能だが、全くスローが効かず、停車状態からちょっと電圧を上げるとかなりのスピードで走り始めてしまう。同時に購入した他の個体も同じだったそうなので、どうやら本製品の特性か。
ヘッドライト・テールライトともにLEDで点灯対応している。
模型ならではの楽しみが、設計ベースとなったJR885系との比較・競演だろう。KATO製品と並べてみた。
なお、台湾新幹線700T型はKATOが製造しているが、本製品の設計は特にKATOとは関係ない模様(発売元メーカーも異なる)。
実際885系と比べてみると、一部ではなるほど設計ベースなんだと思える点もある(台車、車体断面など)のだが、全体的にはかなり異なる車両となっていることがわかる。