マイクロエース製品の車体塗装を活かし、屋根を実物に合わせて工作。
七尾線を直流電化するために投入する交直流車輌として、113系800番台・0番台に交直流機器(485系から捻出)を組み合わせて改造。延命工事や車体補強など、種車の車齢からは考えにくいほどの大改造が施されている。
屋根上の大きな変更点としては交直流化のほか、元々グロベン搭載の車輌も押し込み型化されており、位置がオリジナルの押し込み型ベンチレータ搭載車とは異なっている。
運転台などは413系を基本構造とし、475系・413系との併結運転も可能となっている。2007年3月現在、11本33両全車が活躍中。
マイクロエースからC01編成をプロトタイプとして製品化されているが、屋根上など流用部品が多い。
車体の造形にも緒論あるが、複雑な塗装は美しく再現されているため、こちらには手を加えず、屋根を加工することで改造車らしい様々な屋上形態を持った3本にまとめた。
クーラーやベンチレータを再配置する車輌についてはそれらの穴埋めを行う。先頭車前頭部の検電アンテナ・信号炎管・無線アンテナもTOMIXの475系用パーツに交換するため同じく穴埋め。
また試作冷房車はランボード長さが異なる(後述)ためいったん削り、GREENMAX製AU712用ランボードを薄めに削って取り付けている。AU75化するクモハについてもGM製ランボードを新規に追加した。
信号炎管はクモハはパイプが延びたタイプ(KATO E231系用)、クハは原型の埋め込みタイプ(TOMIX 113系用)となっているのでそれを再現。車体と同色なので塗装前に取り付ける。
製品プロトタイプのためクモハとモハの屋根上にはあまり加工する点は無い。
加工が集中するのはクハで、現在は撤去されている霜取りパンタの台座を再現するほか、試作冷房車のためクーラーが後ろに大きくオフセットしており、通常より長いランボードに交換しておく。
3両とも通常のAU75冷改車であり車輌としては大きな特徴が無いが、近年ベンチレータが撤去された姿を再現。ベンチレータ穴をすべて埋めている。
クモハはAU75化のほか、元々押し込み型ベンチレータだった車輌のため製品と配置が異なり、113・115系の初期型車と同じ配置に戻しておく。この関係か無線アンテナの位置も他のクモハと異なっている。
モハは試作冷房車であり、長いランボードを取り付け、クーラーもパンタグラフと反対側にオフセットする。クハは製品のまま。
先に前頭部の青色を再塗装する。製品の車体色に合わせて調色するが、ハンズセレクトスプレーの#78「ロイヤルブルー」が近似色だったためこれを塗料皿に吹き出し、黒色や赤色などで色味調整したものを利用した。
エアブラシを極細吹きで仕上げるため、前頭部マスキングはこの程度でOK。
屋根色はあまりこだわらず、他車に合わせてGMのダークグレーとしている。
オデコの青色の幅についても製品と異なっており、実物写真を参照して位置決めを行っている。
交直流機器(碍子類)は手を加えていないが、直流避雷器のみKATOの新型電車用に交換。
AU75のタイプ(BS・BM・Eなど)についても調べられる限り再現してみた。BS(東芝)は元製品、BM(三菱)はTOMIXの113系用、E(共通形態)はKATOのAU75G(スーパーステンレスで再塗装)を採用。クモハ415-805とクハ415-810のみ資料が発見できなかったためとりあえず元製品のクーラーのままとしている。
交換する屋根部品はほとんどTOMIX製で、ベンチレータは113系用、検電アンテナ・無線アンテナは475系用。無線アンテナは位置が車輌によってバラバラで製品とも異なるようなので、参考文献などの実物写真を参照した。
製品には再現されていないが、クモハのみ屋根上ホイッスルが設置されているので同じく475系用パーツを取り付け。位置は検電アンテナの後ろとなる。
パンタグラフはKATOの交直流PS16としたが、取り付け穴の位置が全く異なっているので、元の穴をそのままに新たに開け直しておいた。
床下・室内はモハの車端部ヘッドレストを除去(実物が車端部ロングシートのため)した程度。
左からC01・C05・C10編成のクモハ・モハ・クハ。3本9両すべてバラバラの形態というのがいかにも改造車らしい。
C01編成。クハのパンタ台座(実物には配管も残っているが省略)や位置の異なるクーラーが目立つ。
C05編成。ベンチレータ撤去車。
C10編成。クモハのベンチレータ配置とモハのクーラー位置が特徴。