ネコパブリッシング刊「RM MODELS」156(2008年8月)号 掲載作品
東海道線に転籍・活躍していたE217系を、同系列機器更新の際の予備車本数確保のため1本鎌倉区に復帰させることになった。このため編成が1本不足したが、量産を終了したE231系に代わって最新形式であるE233系を新造して充当することとなった。
E233系としては初の近郊タイプとなり、セミクロスシート車およびグリーン車の連結・トイレ設備の設置などの特徴が見られる。E231系と同様に主制御装置および補助電源装置のメーカーが通勤タイプと分けられているほか、全台車へのヨーダンパ設置が行われたのが大きな特徴。
前面デザインや無線アンテナ位置、補機搭載車種などは1000番台に、半自動扉設備やパンタ配管などは0番台に、それぞれ準拠している。
現在1本のみの虎の子的存在になってしまっており、国府津・高崎両区の211系置き換え用としての量産が行われるかどうか注目される。
東急製車体・半自動扉表現が必要となるため、KATO製0番台の基本セットおよびASSYパーツにより中間車の素材を確保した。
1・10・11号車の各先頭車にはトイレの設置を行うため、該当部分の側板をくりぬき、同サイズのプラ板で平滑に仕上げている。塗装は加工部分のみ行うため、車体に合わせた銀色を調色(Mr.Color スーパーシルバー(エアブラシ用)+銀色)している。
▲先頭車へのトイレ設置改造を行う
セミクロスシート車(1・2・9・10・14・15号車)の再現のため、中間車にはE531系用セミクロスシート車の椅子板をそのまま転用し、先頭車用もE531系先頭車椅子板をE233系のものに切り継いだ。
台車はE531系用のヨーダンパ付きタイプに全車とも交換が必要となる。
またスカートは今回基本セットをベースとしたため、実物に合わせて増結セット用スカートパーツに交換している。
▲セミクロスシート化した先頭車下回り
0番台とは先頭車屋根アンテナ位置が異なるため、TOMIXの1000番台用アンテナを流用したが、今後発売される1000番台製品用の屋根板に交換を予定している。
グリーン車はE531系用のものがベースとなっており、模型でもKATOのE531系グリーン車の帯色変更で製作としている。
まず前面パーツのオレンジ帯をシンナーで落とし(凹凸除去のため)、マスキングして白色のみ再塗装した。
帯色変更は当方標準のインクジェットデカール・ホワイトフィルムラベルによるいつもの工法で、色合いはKATOのE231系準拠とした。
東海道線タイプの行先表示および列車番号も帯と同様に印刷で製作し、貼り付けを行った。
▲行先表示を製作
▲前面デザインは1000番台に準拠
▲トイレは15両中3両に設置されている