207系0番台・1500番台

実物情報

1991年1月、片町線の103系置き換えと将来の片福連絡線(後にJR東西線)開業を睨んで新製された、JR西日本初のVVVF制御による標準通勤型電車。

0番台にはパンタ付きのモハ207とパンタ無しのモハ206があるが、基本的には1M構造となり、モハ206はSIVとコンプレッサを省略したVVVFだけの電動車となっている。

現在は7連固定の先行試作編成(F1編成)が1本存在するほかは大半がTcMM'T'cの4連に組み替えられている(Z編成)。残りの編成はモハ206が不足したため、モハ207-1000番台を改造あるいは新造したモハ207-1500番台を組み込んでいる(H編成)。1500番台と組み合わせるモハ207-0番台については、対応工事を行った結果500番台に改番されている。

1000番台・2000番台には存在しない奇数向き制御車「クハ207」が存在しているのが特徴(1000番台・2000番台はすべてクモハ207)である。

製造当初、先頭車は電連の有無により0番台と100番台が存在したが、現在は先行試作編成を除いたすべての先頭車に電連が装備されており、差異は無くなっている。

2005年度からは帯色の変更が開始され、2006年春頃までに全編成が新色となっている。

製作記事

プロトタイプの選定

先行試作編成は別の記事にまとめることにし、ここでは

の2本を製作している(先頭車には100番台が混在しているが外観上の変化は無い)。

種車について

すべてTOMIXの207系(単品売りのある旧製品)を利用している。

部品取りが多いのと、屋根配管が1000番台と異なることから片パンタのモハを利用するほうが都合が良いため。

各車両の製作

共通の加工

クーラーの形状が1000番台と異なるので、実物が1000番台からの改造であるモハ207-1500以外はGREENMAXのAU712に交換した。KATOの221系用クーラーが利用できるとベスト。

新色化は全車両に施工となるが、321系と同じく専用のステッカーを作成して貼り付けていった。このステッカーは過去の205系などの作品と共通で、Adobe Illustratorで原稿を作成、顔料インクジェットプリンタであるEPSON PXG900を用いてホワイトフィルムラベルに印刷したものである。

ステッカーを貼る際には車体にモールドされたドアスイッチが邪魔になるため、模型用ノミを用いて削り取り、代わりにステッカーにデザインとして組み込んだ。

クハ207・クハ206

どちらの編成にも共通の先頭車で、クハ206は製品そのまま、クハ207はクモハ207-1000の屋根と床下をクハ206-1000の製品のものに交換して製作した。妻面配管には目をつぶったが、だからといってクハ206を流用すると妻面扉のオフセット方向が逆になってしまうので要注意。

1000番台先頭車は屋根中央にアンテナ台座のようなものが存在しているが、0番台先頭車には存在しないため厳密には形態が異なっている。気になる場合はサハ207の屋根を切り継ぐなどして製作することができる。

また床下機器についても製品のままとした。

モハ207-0・モハ207-500

模型的には共通加工となる。モハ207-1000をベースに配管を加えてダブルパンタ化するが、0番台の配管については1000番台とは異なっており、屋根資料を参照しながら燐青銅線と割ピンを利用して施工した。

またヒューズ箱の形状が1000番台と異なり大型のため、似た形態であるKATOのM250系(スーパーレールカーゴ)用の部品に交換した。

モハ206-0

パンタ無しのモハで、サハ207-1100の製品の床下のみをモハ207-1000のものとした。床下機器は0番台と1000番台で大きく異なるので、サハ床下をベースに床下機器を新調するのであれば無理にモハの床下を利用する必要は無い。

モハ207-1500

モハ207-1500は形態的にはモハ207-1000のパンタを撤去したような車両である。屋根資料を見ながら配管を加え、パンタ撤去部分には台座のようなものが存在しているため、模型でもパンタの台座のみを残してそれらしく表現してみた。

床下機器は1000番台とほぼ変化無しのため、製品の床板を流用しても問題ない。

作品写真

新色化の完了したH編成。

手前がモハ207-0、奥がモハ207-1500。

モハ207-500。0番台モハと外観は変わらないが、ユニットとなるモハ207-1500への給電機能を設けている。

屋根配管およびヒューズ箱、クーラーが1000番台とは異なっている。

モハ207-1500。撤去されたパンタ跡およびモハ207-500からの給電配管が特徴。

種車は1000番台であり、ヒューズ箱やクーラーは変化していない。

モハ206-0。こちらは新色化前の写真。

実物写真

2006年8月10日、塚口駅で撮影。クリックで拡大。

モハ207-500。モハ207-0とほとんど変化はない。

モハ207-1500のパンタ撤去部分の拡大。

上のモハ207-500とヒューズ箱の形状が異なるのが解る。

モハ207-500とモハ207-1500の連結面。妻面から屋根へと這う高圧引き通し管が目立つ。

奥付

参考文献

更新履歴

製作・著作

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