国鉄155系修学旅行色

MicroACE初期の製品で手直ししたい部分が多い。

「ひので号」と「準急ながら」を再現できるように2セット16両購入し、サロ153-900を追加製作した。

実物情報

1959年に153系を設計ベースとして登場した修学旅行用電車。修学旅行用ということで、幅の狭い乗降扉・コイルばね台車・2-3人掛けシートなどの相違点があるほか、多客期の臨電としてどこでも使えるよう、全車低屋根構造となっている。

新幹線開業などで修学旅行の任を解かれてからは153系と混用で準急や急行、臨時列車などで活躍していたが、1983年までに全廃された。最後まで冷房改造されることはなかったが、一部にスカートが取り付けられた車輌があったようである。

田町区へ配置されていたが、後継のマイナーチェンジ車である159系は大垣区に配置された。

製作記事

概要

MicroACEの155系「ひので号」製品を小加工して外観の向上を図っている。また、臨時「ながら」に使えるよう、サロ153-900を銀河モデルのキットから製作する。

屋根の加工

元製品のベンチレータとパンタを除去し、いずれもKATOのグロベンとPS16Bタイプに換装するほか、屋根をダークグレーで再塗装する。

床下の加工

先頭車の前頭部と動力車の車高が中間車に比べて高いので、これを下げる改造を行う。

まず動力無し中間車であるが、車高が高いようであれば、台車を取り外し、台車がボルスタと接触している部分の突起を現物合わせで少し削り、長さを短くする。これで車高を下げることができる(MicroACE製品全般で利用できるテクニック)。

先頭車についてはこれでもまだ先頭部が浮いているので、ライトユニットを大幅に削るか、取り去ってしまう。DCCで使う機会が多いのでファンクションデコーダを搭載しない限りは電球のライトは不要であり、いずれLED換装でもすることとしよう。ライトユニットを除去したらライトレンズだけを戻しておく。

動力車については側板ガラスを加工する。ガラス板の下に出っ張っている突起を(動力固定ツメを含めて)すべて削り取り、下端のラインを均一にしてしまう

あとは当社標準工事である動力ユニットへのSDDIコネクタ取付を行うだけである。

スノープロウにTOMIXの165系用を利用するため、先頭車の台車はTOMIXのTR62N(スノープロウ取付台座付)に交換した。

サハ155の台車の加工

155系「ひので号」の一般的な編成は、TcMM'T + TcMM'Tc + TMM'Tcというものであった。つまりサハ+クハとなるわけで、クハ先頭部がTNカプラーであるためサハの片側はTNカプラーとしなければならない。一方、臨電などではTcMM'TTMM'Tcなどという編成(つまり製品そのまま)等も有り得るので、サハ+サハとして連結したときに他の中間車の連結面と連結間隔が大幅に違うと違和感が出てしまう。このことからサハ側はボディマウントTNは利用できないので、TOMIXのTR62台車枠に元台車の車輪を移植し、この台車に台車マウントのTN密連カプラーを取り付けておく。台車マウントのTNカプラーの連結間隔は他の車輌をKATOカプラーで連結したものとほぼ遜色ない。

なお、2セット買ったのでサハは4両あるが、サロ+サハという場合も想定されるので、この片側TNカプラー化加工を行うサハは2両とし、残り2両はそのまま両側KATOカプラーとなっている。

サロ153-900の製作

銀河モデルのサロ153-900のキットをストレートに組み立てている。床下はキットの指示通り、KATOのサロ152のものをそのまま利用。

キットはモールドも適度で、合いも良く大変組みやすい良質のものである。

キットのインレタとカッティングシートを用いて2等車とし、青帯を付けているのだが、キットのインレタに合わせるため青22号に近いカッティングシートを使っている。実物は青15号である。

模型写真

動力車と中間車を製品のまま繋いだところ。左側の動力車の車高が明らかに高いことがわかる。

屋根上だけは先に加工を済ませてあり、KATOのグロベンとPS16Bが搭載されている。

この時点ではグロベン台座のワッシャーを入れていないので、間がスカスカである。

動力車の車高短縮工事を行った状態。

「ひので」で使う場合の、サハとクハを連結した状態。サハの台車への台車マウントTNカプラー取付(およびTOMIXのTR62への交換)と、クハの車高短縮工事が行われている。

中間に入るクハのスノープロウは勾配の多いレイアウトを走った場合に引っかかって脱線の原因になりやすいため、取り外してある。

幌がズレているのは固着していないため。この後ゴム系接着剤で固定した。

キットのインレタや帯色指定はスカイブルーだが、実車はもっと濃い青色だったようである。2002年のJAMコンベンションで銀河モデルに聞いてみたところ、模型として映えるようにスカイブルーを選定したとのことである。

常設運転場「のぞみ会」で走らせたときの画像。12連で広大なレイアウトを走り回った。

自宅レイアウトにて。その後追加加工を行ってあり、ワッシャーによるグロベン台座およびTOMIXの165系用スノープロウの取付(台車はTOMIXのTR62に交換)を行っている。

また、種別幕への「修学旅行」ステッカー(鳳車両製)貼り付けと「ひので号」ヘッドマーク取り付けも行った。

奥付

更新履歴

製作・著作

Copyright(C) 2003-2004 橋本孔明(Koumei Hashimoto), all rights reserved.