103系(京阪神緩行・宝塚線 混成編成)

RM MODELS

ネコパブリッシング刊「RM MODELS」124(2005年12月)号 掲載作品

実物情報

福知山線脱線事故に伴う207系の離脱、および在来車へのATS-P取り付け工事の開始に伴い通勤車が不足。おりしもJR東日本で廃車が進行中であった103系に白羽の矢が立ち、前代未聞の103系旅客会社間譲渡が行われることとなった。

かくして西日本にやってきた元・京葉区武蔵野線E38編成は、先頭車・中間車ともにバラバラとなり、西日本車と組み合わされて広島地区・京阪神緩行線・大阪環状線でそれぞれ活躍を開始した。

その後、さらに転配が開始され、現在は当初の投入線区からは離れた車輌も多い。今後も複雑な動きが行われるものと見込まれている。

この編成は最初に登場した宮原区T1編成(通称)を再現したものだが、その後サハを組み替えて阪和線に転用され、本線での活躍は短期間に終わってしまった。

少数派となった戸袋窓付きのほか、西日本では久しぶりとなるグレーHゴム付きで異彩を放っている。

クハ103-128+モハ103-684モハ102-840+サハ103-487+モハ103-685モハ102-841+クハ103-118(太字は戸袋存置の元東日本車)

製作記事

クハの加工

KATOの一般型103系クハをベースに、戸袋窓埋め・シールドビーム化・側窓ガラスはめ込み化などの工作を行った。いずれも趣味誌などで一般的な工作技法を用いたものである。

窓ガラスにはKATOの201系用を利用、前面の特徴である「銀縁」(鉄仮面)はKitcheNから発売されたパーツ。

モハの加工

KATOの新103系の中間車をほぼ無加工。屋根のみ最近発売のPS16B対応屋根に交換した。

サハの加工

TOMIXの103系サハの戸袋埋め、妻面窓埋めを行ったもの。ベンチレータをKATO製として他車との共通化を図っている。

共通の加工

西日本特有の彩度の強めの青色を再現してみようといろいろ調色してみたのだが効果はいまいちだった模様。Hゴム・靴擦りの色入れには烏口を使っている。

車番は適当なインレタから番号を拾って転写した。

特徴となる転落防止幌を再現するため銀河の転落防止幌を車体色に塗って付けているが、カーブ通過性能が低下してしまった。どうしてもだめなようなら取り外すかもしれない。

Hゴムは白色と黒色が混在しており、実物写真を参考に色を決めていった。

途中経過写真

サハとクハ。サハはもともと戸袋を埋めて他の編成に使っていたのだが、今回抜擢され、妻面窓埋めの追加工が施された。

塗装前の状態。余剰車の寄せ集め。

作品写真

実物は中間車が珍車なのだが、模型ではクハの製作が一番ポイントとなる。

転落防止幌は目立つので効果はあるのだが取り付け強度がだいぶシビア。

2006年JAMでは阪和線体質改善編成および和田岬線編成と共に展示。

実物写真

阪和線に転属後、サハは体質改善車に差し替えられ、中間車の戸袋窓は埋められてしまった。一部の方向幕に残る白色Hゴムや、転落防止幌が元東日本を物語る。

奥付

更新履歴

製作・著作

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