常磐緩行・地下鉄千代田線直通の増発のため、1986年に国鉄初の営業用VVVFインバータ制御通勤型電車として1本が試作された。
外観は205系を地下鉄直通用にしたようなものであるが、各所の設計はかなり異なっている。
1C4MのVVVFを各動力車に搭載、MGなど補機の分散こそ行われたが基本的に1M制御となっている。
新時代の制御方式として期待されたが、想定したほどの性能が得られないことおよび製造コストから、国鉄と営団地下鉄がVVVFの導入に消極的になってしまったと言われている。
大きな改造を行われることはなく、2006年夏現在も常磐緩行線取手から東京メトロ千代田線の代々木上原まで運用されている。
模型では外観の似ている205系初期型をベースとするが、中間車の側面グリルが無いため、中間全車をサハ205から改造している。
特徴ある前面については、東京堂から発売されている金属製の改造パーツセットを利用した。ほぼ説明書通りの組み立てとしている。
207系900番台の屋根上アンテナは205系の南武線および京阪神緩行線タイプと同様、中央に配置されている。このため、KATOの205系南武線色の製品の屋根を転用した。
モハ207のパンタグラフは203系と合わせるためかユニット外側に配置されており、205系とは逆となる。
このため、屋根はサハ205をベースに、ユニット外側にモハ205用屋根のパンタ部分を切り継いでいる。
屋根配管も205系とは大きく異なっており、資料などを参考に適宜パイピング・ヒューズ箱設置・避雷器移設などを行った。
車体はサハ205のままとしている。
特徴あるVVVFの床下機器および先頭車ATC機器等については、将来発売のマイクロエース207系900番台のパーツをコピーして転用する予定となっており、現状では205系用のままとしている。
車体はシンナーおよび綿棒・爪楊枝・面相筆などを利用して幕板帯を消し、腰板帯については自作のステッカーを貼り付けてエメラルドグリーン帯とした。
改造に使用する前面パーツは銀色で、前面帯パーツは青緑1号で塗装している。
屋根は切り継ぎを行ったモハ207用屋根のみ再塗装した。
前面の運行番号・方向幕・JRマークについては、拙作の各種205系と同様に一体設計としたステッカーを製作し貼り付けている。
貫通型構造を有する前面。貫通幌の取り付けはできない。
中間車の車体はすべてサハ205からの改造で、パンタ部分の妻面配管は省略。
中央に配置されるアンテナと、モハ207パンタグラフ周囲。パンタは205系と異なりユニット外側にある。